公開時(5 月 28 日)は、2021 年 3 月期に年間配当が 84 円から 65 円に下がったことを「コロナ禍の業績悪化による減配」と書き、減配はこの一度だけとしていました。これは前の 2 期に出していた特別配当 20 円がなくなった分で、特別配当を除いた配当は 64 円から 65 円に増えていました。2005 年 3 月期以降で配当を減らしたのは、リーマン・ショックのあとの 2009 年 3 月期(34 円→30 円)と 2010 年 3 月期(30 円→26 円)です。特別配当と記念配当を除くと、2014 年 3 月期から 2026 年 3 月期まで 13 期続けて増配しています。あわせて、2018 年 3 月期と 2019 年 3 月期の年間配当(正しくは 57 円・80 円)と、記念配当の年(2023 年 3 月期ではなく 2022 年 3 月期)も直しました。有報で配当の内訳を確かめないまま書いていました。本文とグラフを直しています。
会社の出退勤打刻、街の駐車場の入出庫——どちらも、誰かの生活の裏で毎日動いている市場だ。
タイムレコーダー(時間管理)と駐車場管理、両方で長年首位を維持してきた。SaaS(月額課金型のクラウドサービス)化への移行で景気感応度が下がりつつあり、リピート収益とメンテナンス収益の積み上がりが配当の原資を支えている。
年間の配当が 84 円から 65 円に下がった年(2021 年 3 月期)はあるが、前の 2 期に出していた特別配当 20 円がなくなった分で、特別配当を除いた配当は 64 円から 65 円に増えている。特別配当と記念配当を除くと、2014 年 3 月期から 13 期続けて増配し、180 円(第110期)まで積み上げてきた。実際に配当を減らしたのは、リーマン・ショックのあとの 2 期(34 円→30 円→26 円)。配当方針は 2026 年 4 月に、DOE(純資産配当率)2.5% を下限・配当性向 60% 以上・総還元性向 70% 以上へ改めている。
時間情報 × パーキングの二本柱——50 年シェア首位の地味な強者
Company Profileハードウェア販売だけでなく クラウド勤怠管理 SaaS・駐車場運営代行・メンテナンス契約からのリピート収益が積み上がる構造。働き方改革・36 協定対応・パーキング DX が追い風。
🅿️ パーキングシステム(成長領域) 駐車場機器(精算機・ロック板)と駐車場運営代行(直営・受託)を組み合わせ、機器販売 + 月額運用料の 2 段構えで収益化。EV 充電器設置などのアップセル余地大。
定性 88 が定量 61 を引き上げて★購入 77.2
Score Summary配当 180 円・取得ベース 4.36%、13 株保有
Key Metrics| 項目 | 値 | 補足 |
|---|---|---|
| 年間配当 | 175 円(第109期・2025年3月期)/ 180 円(第110期・2026年3月期) | 第110期に +5 円増配(過去最高)。2027 年 3 月期の会社予想は 180 円の据え置き |
| 配当利回り(取得ベース) | 4.36 % | 180 円 ÷ 取得平均 ¥4,131(株価ベースは公開時点で陳腐化するため取得ベースで統一) |
| 連続増配 | 13 期連続増配(特別・記念配当を除く) | 第98期〜第110期(2014 年 3 月期〜2026 年 3 月期)。年間の総額では、特別配当 20 円がなくなった 2021 年 3 月期に 84 円→65 円。減配はリーマン後の 2009・2010 年 3 月期 |
| 自己資本比率 | 71.8 % | 2025年3月期(実質無借金・有利子負債比率0.64%) |
| DOE | 2.5% 以上 | DOE 2.5% 下限+配当性向 60% 以上+総還元 70% 以上 を方針として掲げる(2026 年 4 月に変更。前は配当性向 40% 以上・総還元性向 55% 以上・DOE 2.5% 以上が目標) |
| 売上高 | 1,765 億円 | 第110期(2026年3月期・実績)/2027年3月期 会社予想 1,840 億円 |
| 営業利益 | 226 億円 | 営業利益率 12.81%(第109期 13.13% から小幅調整も、2021〜2025 で +50% 改善) |
| 取得単価(平均) | 4,131 円 | 1月¥4,238×6 / 2月¥4,096×2 / 3月¥4,016×5(朝¥3,650×1+午後¥3,752×4 の 1 日 2 段階執行・ジュニア NISA 口座) |
| 保有株数 | 13 株 | 3 ヶ月で 3 回に分けて取得・取得総額 ¥53,700 |
| 取得ベース利回り | 4.36 % | 180 ÷ 4,131 ・年間配当期待 ¥2,340 |
売上 5 年で +55%、利益率は 8.74% → 13.13% へ大幅改善
Financial Performance, 5yリーマン後の 2 期減配と、2014 年から 13 期続く増配
Dividend Track Record, 8y
| 期 | 年間配当 | 備考 |
|---|---|---|
| 第102期(2018/3) | 57 円 | 増配(前期 52 円) |
| 第103期(2019/3) | 80 円 | 普通 60 円+特別配当 20 円(総還元性向の目標を入れた年) |
| 第104期(2020/3) | 84 円 | 普通 64 円+特別配当 20 円 |
| 第105期(2021/3) | 65 円 | 特別配当なし。普通配当は 64 円→65 円(年間の総額は 84 円→65 円) |
| 第106期(2022/3) | 95 円 | 普通 75 円+創業 90 周年の記念配当 20 円 |
| 第107期(2023/3) | 110 円 | 増配継続(すべて普通配当。記念配当は前の期) |
| 第108期(2024/3) | 135 円 | 増配継続 |
| 第109期(2025/3) | 175 円 | 増配継続・総還元性向 93.1% |
| 第110期(2026/3) | 180 円 | 過去最高・13 期連続増配(特別・記念配当を除く)・総還元性向 85.1% |
※ アマノの配当は DOE 2.5% を下限+配当性向 60% 以上+総還元 70% 以上を方針として掲げる業績連動型(2026 年 4 月から。それまでは配当性向 40% 以上・総還元性向 55% 以上・純資産配当率 2.5% 以上が目標)。第 103・104 期の特別配当 20 円は総還元性向の目標を入れたときに上乗せしたもので、第 105 期にはない。第 106 期の 20 円は創業 90 周年の記念配当。
※ 表より前では、リーマン・ショックのあとの第 93 期(2009/3)に 34 → 30 円、第 94 期(2010/3)に 30 → 26 円と 2 期続けて減配している。当時も目標にしていた純資産配当率 2.5% 以上(実績 2.9%・2.7%)は保ったまま、配当は減った。
※ 純粋な「累進配当」ではなく、DOE が下限として機能する設計。景気後退時に減配リスクは残る。
※ 訂正(2026-10-05):公開時は、第 105 期を「業績悪化で 84 → 65 円へ減配」、第 102・103 期を 78 円・84 円、第 107 期を「普通 90 円+記念配当 20 円」としていました。
4 つのお堀——自己資本 71.8% が 20 年を守る
Business Strengthsリスク警告
Caveats(配当)
(業績連動型・下限の保証は DOE 2.5%)
(市場)
(駐車場)
アマノは 業績連動型の配当設計で、配当性向は第111期予想で 71.5%、過去には 70% 超の高水準で推移している。DOE 2.5% が下限として機能するが、業績悪化時には配当が振れる余地が残る。具体的な減配シナリオは以下:
- シナリオ A(深刻度:中):第111期(2027/3)会社予想で純利益は ▲12.6%(特殊要因の反動)。配当性向は 71.5% へ上昇し、配当余力のバッファーは縮小する。さらに業績下振れすれば配当性向 80% 超え → 翌期の据置または減配リスクへ。
- シナリオ B(深刻度:中):第110期の 営業利益 ▲2.1% を起点に、利益率が 12.81% から構造的に低下する場合。SaaS 移行の遅れ・駐車場機器の単価下落・原材料価格高騰が重なれば、DOE 2.5% を維持しつつ配当性向の上限(70〜80%)に張りつくため、増配余地が消える。
- シナリオ C(深刻度:低):景気後退で営業利益が 2021 年並み(99 億円)以下に落ち込んだ場合。第105期(2021/3)は、この水準でも特別配当を除く配当を 64→65 円と維持した。ただ、リーマン・ショック後の第93・94期(2009/3・2010/3)には 2 期続けて減配しており(34→30→26 円)、同じ規模の落ち込みが続けば減配の可能性はある。ただし自己資本 71.8%・実質無借金で財務バッファは厚く、無配転落の確率は低い。
- シナリオ D(深刻度:低):第110期の自社株買い(キャッシュ・フロー計算書で 83.9 億円・前期比 4.3 倍)が一過性だった場合、第111期以降は総還元性向が 70% 方針水準へ収斂する。配当維持でも市場期待からは下方修正に。
本記事のスコアと判断は 現時点の有価証券報告書・決算短信を元にした分析 であり、将来の業績・配当を保証するものではありません。投資判断は最新の決算短信・適時開示を必ず確認のうえ、ご自身の責任で行ってください。
有報精読で確信した 4 つのこと
Annual Report Insights★購入・ガチホ適格、DOE 2.5% と自己資本 71.8% を信じる
Decision| 項目 | 判断 | 補足 |
|---|---|---|
| 取得ベース利回り | 4.36%(★ 購入ゾーン) | ★購入基準:スコア 65 点以上 + 利回り 4.0% 以上。180 円÷取得平均 ¥4,131 で 4.36% を充足 |
| ゾーン | ★ 購入 | スコア 77.2 / 取得ベース利回り 4.36%(★購入ゾーン・13 株保有済みのためポジション管理上は慎重) |
| 買増優先度 | 中・慎重 | ¥4,500 以下で積極買増。¥3,650(利回り 4.79%)が押し目買いの目安 |
| ガチホ適格 | ✓ 適格(条件付き) | DOE 2.5% 配当方針と自己資本 71.8% を維持する限り |
| 再評価トリガー | 減配(特別・記念配当を除く配当の減額)・利益率の構造的低下・総還元 70% 方針からの逸脱 | 半期ごとに決算で DOE 2.5% +総還元 70% 以上 の維持を確認 |
